世界中で長引くコロナウイルス大流行により、毎年世界を股にかけて旅していたサーファーは、生活習慣の変化を余儀なくされた。パンデミックからの数か月は、世界中でビーチが閉鎖されて最も厳しい期間だった。しかし、それからついにビーチがオープンされると、サーファーたちは今まで以上にハードワークし始めた。
五十嵐カノアもその一人。五十嵐は、この期間を自身の弱点を見つめることにあてた。タヒチでのサーフィンがいったん解禁になると、昨年世界6位に輝いた日本人サーファーはタヒチへ飛び、バックハンドのライディングを練習した。
「前半のハワイパートは、コロナウイルスが蔓延する前に撮影していた。その後、検疫の間にタヒチへ行って後半部分を撮ったのさ。カノアは自分の弱点を知っていて、それを克服するために最適な場所に自身を置きたかったんだ」と話すのは、前回の「FREEDOM」でもタッグを組んだフィルムメーカーのタナー・カーニー氏。
ハワイとタヒチでの五十嵐のライディングが収められている映像のタイトルは「SILENCE」。五十嵐のyoutubeチャンネルで公開されている。この動画は、ハワイとタヒチでそれぞれ1週間撮影され、五十嵐が己の弱点に真摯に向き合う姿に迫っている。