ワールドサーフリーグ(WSL)は現地8日(日本時間9日)、米国カリフォルニア州のロウアートレッセルで、サーフィン世界一を決定するワンデイ決戦、WSLファイナルを開催した。日本人として史上初の出場を果たした五十嵐カノアは、1回戦でイタロー・フェレイラ(ブラジル)に敗れて、悲願の世界一は来年以降に持ち越しとなった。
男子ファイナルのマッチ1は、五十嵐にとって東京五輪決勝で敗れたフェレイラとのリマッチとなった。フェレイラは東京五輪決勝で敗れた相手だが、五十嵐は過去2勝1敗と勝ち越していて相性が良くリベンジが期待された。35分のヒートは、半ばまでお互いにけん制し合ってか1本も波に乗れなかったが、残り時間半分あたりから勝負が激化する。五十嵐がエアリバースを軸とした技で6.83を記録してリードすると、フェレイラも高さがあるエアリバースでエクセレントをマークして応戦する。残り3分を切って、勝ち上がるために6.55を必要とする五十嵐は、ラストチャンスをかけた波をゲット。しかし、思うように得点を伸ばせず、フェレイラにリベンジ失敗。残念ながら1回戦で姿を消した。
なお、五十嵐を下して勢いに乗ったフェレイラはそのまま決勝まで勝ち進み、第1シードのフィリペ・トレドと対戦。ブラジル勢の対決となった男子ファイナルは、トレドがランキング1位の貫禄を見せ、世界王者の座に就いた。一方の女子は、第5シードから勝ち上がってきたステファニー・ギルモア(オーストラリア)と第1シードのカリッサ・ムーアが決勝で激突。世界女王7度のステファニー・ギルモア(オーストラリア)と同5度のカリッサ・ムーア(ハワイ)によるレジェンド対決は、この日4ヒート目となった第5シードのギルモアが第1シードのムーアを下す“下克上”で8回目の栄冠を手にした。