現地14日、米国カリフォルニア州のロウア―トレッスルで開催されたWSLファイナルは、ガブリエル・メディーナ(ブラジル)とカリッサ・ムーア(ハワイ)の優勝で幕を閉じた。5度目のタイトルとなったムーアは、これで東京五輪の金メダルと合わせて2冠達成となった。
今季のワールドサーフリーグ(WSL)ランキング1位と五輪金メダリストの称号を携えて史上初のイベントに挑んだムーア。2019年の世界王者は自身初の連覇を飾って最良のシーズンを終えた。今季のムーアは最も安定感があるサーファーだったといえる。全7戦すべてにおいてセミファイナル以上に進んだ唯一の選手だ。2019年のマーガレットリバー・プロ以降ではすべてのチャンピオンシップツアー(CT)イベントで3位以内に入り、2021年には10シーズン連続で20ヒート以上の勝利をマークした。これは、WSL史上最長の記録だ。これで5度目の戴冠となった女王は、11度のケリー・スレイター、7度のステファニー・ギルモアとレイン・ビーチリーに次ぐ金字塔を打ち立てた。
「長い1年で長い1日だったわ」としみじみとこの日を振り返ったムーア。「今日は思った通りにスタートできなかった」と明かしたように、タチアナ・ウェストン-ウェブとのタイトルマッチでは、1ヒート目を落とした。しかし、「自分自身と戦ったおかげで勝つことができたの。最初のヒート後に落ち着こうとして、自分のベストを尽くしたわ。サーフィンを心から楽しみ、それが功を奏したの」と己に打ち勝ったことを勝因に挙げた。これまで4度のタイトルは水中で喜びを味わえなかったが、今季から導入されたWSLファイナルのおかげで世界王者になる瞬間を水中でリアルタイムに実感した。それだけに5度目の勝利の味は格別だったようだ。
「(今回の勝利は)とても特別なこと。これ以上のことは望めないわ!」