ワールドサーフリーグ(WSL)チャンピオンシップツアー(CT)第6戦、サーフランチ・プロのファイナルが現地20日、カリフォルニア州リムーアのサーフランチで行われた。東京五輪前の最後のCTとなる本イベントは、男子がフェリペ・トレド(ブラジル)、女子はジョアン・ディフェイ(フランス)がそれぞれ優勝した。なお、東京五輪日本代表の五十嵐カノアは、今季自己最高位となる3位でフィニッシュした。
予選ラウンドを3位で通過し、参加36人中上位8人が進むセミファイナルへ駒を進めた五十嵐。左右の波を各2本ずつ乗り、両サイドのベストスコアを足したポイントで競う準決勝では、ライト1本目で8.93のエクセレントをマークすると、さらにレフト2本目でも8.00のエクセレントを叩き出し計16.93に伸ばした。五十嵐は決勝進出にはわずか1ポイント弱足りなかったが、堂々の3位に輝いた。これで五十嵐は、ランクを3つアップさせてランキング6位に躍り出ている。
男子決勝は、トレドとランキング1位ガブリエル・メディーナのブラジル対決となった。同3位のトレドは、ライト2本目で9.67の高得点を記録すると、レフト2本目でも8.27のライディングを披露して計17.94に伸ばし、計10.60とスコアが伸び悩んだメディーナを退けた。
第4戦に続く今季2勝目を飾ったトレドは、「サーフランチの決勝に残ったのはこれで3度目。ガブリエルには過去2度負けていたから、今回の勝利は本当に嬉しい。ガブリエルは今季通じて調子が良く、すでにWSLファイナル進出も決めているから彼に勝ったことは僕にとって本当に大きい」と、3度目の正直で勝利の美酒を味わったことに酔いしれた。
なお、惜しくも2位に敗れたメディーナだったが、ランキング上位5名のみが参戦できるWSLファイナル(9月開催予定)への出場権を、2戦を残して早々にゲットした。
一方の女子ファイナルは、ディフェイとカリッサ・ムーア(ハワイ)のマッチアップ。ともに母国の東京五輪代表同士の対決は、ディフェイが計16.63で同16.23のムーアを僅差で破り今季初勝利を挙げた。この結果、ムーアはランキング1位をキープし、女子で最初のWSLファイナル進出を決めた。なお、CT4戦連続出場の都筑有夢路は、残念ながら予選を通過できず17位でフィニッシュした。
ランキングを2位に浮上させWSLファイナル出場が視野に入ってきたディフェイは、「サーフランチでサーフィンをする女子のレベルの高さに感銘を受けました。カリッサ、サリー(サリー・フィッツギボンズ)、タチ(タチアナ・ウェストン-ウェブ)とみんなが素晴らしかった。2戦連続でファイナルに進んだのは初めてで、今回の結果はとても嬉しいです」と、第5戦の決勝で敗れた悔しさを晴らしたことに満足していた。