バンザイパイプライン、ハワイ州オアフ島/アメリカ(2020年12月20日)
タイラー・ライト(オーストラリア)は、ワールドサーフリーグ(WSL)チャンピオンシップツアー(CT)開幕戦のマウイ・プロで優勝した。オアフ島のノースショアにある伝説的なバンザイパイプラインで開催された女子初のイベントで、初代ウィナーとなった。また、男子CT開幕戦のビラボン・パイプマスターは、ジョン・ジョン・フローレンス(ハワイ)が、自身のホームでパイプマスターズを獲得するという生涯の夢を実現した。
WSL女王に2度輝いたライトは、WSLチャンピオン4度のカリッサムーア(ハワイ)、タチアナ・ウェストン・ウェッブ(ブラジル)、サリー・フィッツギボンズ(オーストラリア)、セージ・エリクソン(アメリカ)らとともに、史上初の女性のCTに参加して歴史を築いた。
ライトは「ここにいることができてとても幸運だと感じています」と話し、「私たちの前に道を開くために来た女性がいなければ、私たちはここにいないと思います。ここにいることを非常に光栄に思います」と、イベントへ出場できたこと自体を喜んだ。
ライトは、ファイナルでムーアを、セミファイナルでフィッツギボンズを破り、14回目のCT優勝を達成した。 26歳の彼女は決勝でコミットされたサーフィンを披露し、ムーアをわずか1.11ポイント差で下した。大会の初めに、ライトはプログレスプライドの旗を示す最新のジャージを着てオープニングヒートを漕ぎ出し、今日の最後の勝利で誇らしげにそれを着用した。ライトは、2021年のCTシーズンを通してアップデートされたジャージを着用し続けるという。
「LGBTQ +コミュニティの誇り高きバイセクシャル女性として、またオーストラリア人として、今年は競技用ジャージで両方を代表できることを嬉しく思います」とコメントしたライト。「プログレスプライドの旗は、私が本当の自分であることにもっと目を開かせた愛を表しています」と、今後も自分を表現していくことをアピールした。
一方、ビラボン・パイプマスターズのラウンド16ヒート4で始まったこの日は、11回のWSLチャンピオンであるケリー・スレーター(アメリカ)が計13.67をマーク。ジャック・ロビンソン(オーストラリア)と対戦したラウンド16でハイスコアを記録し、怪我しているにも関わらず準々決勝に進出した。
「先週、マウンテンバイクに乗っていて怪我をした後、3日前にパイプラインで治療した」と、ラウンド16の後にスレーターは自身の故障を明かし、「歩くのに少し問題があるがサーフィンは大丈夫。 サーフィンをしたときはあまり気づかなかった」とライディングに集中していたことを強調した。 WSLディフェンディング王者のイタロー・フェレイラ(ブラジル)、2度のWSLチャンピオンのガブリエル・メディーナ(ブラジル)、五十嵐カノア(日本)、ジェレミー・フローレス(フランス)も、ラウンド16を勝ち上がり、準々決勝に駒を進めた。
準々決勝ヒート1で、フローレンスは、レオナルド・フィオラバンティ(イタリア)とのマッチアップで、準々決勝ベストスコアの合計17.67をマークした。また、フェレイラは、フローレス戦のライドでリーフに当たった後、負傷したにもかかわらず、準々決勝ヒート3で勝利。メディーナも五十嵐とのヒートを勝ち上がり、準決勝に進んだ。この結果、米国とブラジルの上位2人のサーファーが対戦することになった。
準々決勝ヒート4で五十嵐を下したメディーナは、同郷対決について「準決勝でイタロと対戦するのを楽しみにしている。これは良いヒートになるだろう」と語っていた。 そして、準決勝では、フローレンスとメディーナが勝利してファイナルへ進出。決勝では、7本の波に乗り計11.77を叩き出したフローレンスが、0.67ポイント差でメディーナを下して悲願のパイプマスターの称号を手にした。